ヨーキョクデイ

100% pure impurities, which may imply some value. (j は虚数単位)

数学

引き分けを許す複数回総当たり戦の勝敗パターンと勝ち点パターンの列挙

目的 用語 方法 勝敗パターンとグラフ 勝ち点パターンとグラフ 具体例 パターン数 〆 目的 引き分けを許す $k$ 回総当たり戦を $n$ チームで行ったとき、その結果に表れる勝敗パターンと勝ち点パターンを列挙したい。前回は $k=1$ の場合を調べたことになり…

n 回目に初めてビンゴする確率

ヨビノリの動画で $n$ 回目に初めてビンゴする確率について触れていたので、コンピュータのパワーで計算してみようと思った。 www.youtube.com 復習 問 1 (1) (2) 答 1 (1) (2) 特定の盤面を得る確率 問 2 (1) (2) (3) 答 2 (1) (2) (3) 補題 リーチ盤面から…

部分分数分解のサイトを作った

作ってしばらく経つけど。今までに書いた部分分数分解ネタをまとめて新ネタを足した感じ。 e10s.github.io

調和数列の積の部分分数分解とシフト

濱中裕明先生の X のポストより。赤は二項係数、青は連続する奇数。先日、息子と積分計算で遊んでいて見つけたんだけど、積分を経由せずに直接計算で示せるものでしょうか。 pic.twitter.com/euAJCPUTAm— 濱中裕明 (@Ototo_) 2023年9月26日 それ部分分数分解…

引き分けを許す総当たり戦の勝敗パターンと勝ち点パターンの列挙

目的 方法 勝敗パターンの列挙 用語と蛇足 勝ち点パターンの列挙 具体例 コード 目的 引き分けを許す 1 回総当たり戦を $n$ チームで行ったとき、その結果に表れる勝敗パターンと勝ち点パターンを列挙したい。サッカーのワールドカップが盛り上がっており、…

エレ解 2022.3 出題 1 を部分分数分解の公式で解く

問題 数学セミナー 2022 年 3 月号のエレガントな解答をもとむ、の出題 1。 解答は同 6 月号。 www.web-nippyo.jp正の整数 $k$ について次の値を求めよ。$$\sum^k_{j=0}(-1)^j \binom{2k+1}{j} \frac{1}{2(k-j)+1}$$というシンプルなもの。 解答 調和数列の…

二項係数の逆数の部分分数分解

Wikipedia に載っていたものの、証明がなかったので。 en.wikipedia.orgまず、二項係数を一般化して、複素数 $z$ と非負整数 $n$ について、$$ \begin{align} \binom{z}{n} &\triangleq \frac{z (z-1) \cdots (z-n+1)}{n!} \\ &= \frac{1}{n!} \prod_{k=0}^{…

調和数列と多項式の積の部分分数分解(Melzak の公式)

以前に触れた Melzak の公式であるが、その証明をして、さらにいろいろな例に適応させる試み。 e10s.hateblo.jp Melzak の公式 証明 系 系の具体例 調和数列の積 等差数列が分母・分子に交互に来る積 調和数列の部分列の積 〆 Melzak の公式 非負整数 $n$ と…

等差数列が分母・分子に交互に来る積の部分分数分解

何を言ってるのかわからねーと思うが、たとえば、$$\frac{(x+1)(x+3)(x+5)}{x(x+2)(x+4)(x+6)} = \frac{1}{16} \qty( \frac{5}{x} + \frac{3}{x+2} + \frac{3}{x+4} + \frac{5}{x+6} )$$ みたいな部分分数分解を一般化して、$$\frac{(x+1)(x+3) \cdots (x+2n…

マニアのための n 倍角・その 4

序 またおよそ 7 年ぶりの続編。以前、マニアのための n 倍角・その 3 において、$$\cot n \theta = \frac{1}{n} \sum_{k=0}^{n-1} \cot( \theta + \frac{k}{n} \pi)$$の成立を示した。これをさらに変形すると、$$ \begin{align} \cot n\theta &= \frac{1}{n…

1 の n 乗根と部分分数分解

公式 正の整数 $n$ と複素数 $z$ について、次の等式が成り立つ。$$\prod_{k=0}^{n-1} \frac{1}{z-\zeta_n^k} = \frac{1}{n} \sum_{k=0}^{n-1} \frac{\zeta_n^k}{z-\zeta_n^k}$$ただし、$z^n \neq 1$ であり、$\zeta_n \triangleq e^{j 2 \pi /n}$ と定義す…

調和数列の積の 2 乗の部分分数分解

あるいは、調和数列の 2 乗の積の部分分数分解はどう表されるかが気になったので。前回の発展版。 e10s.hateblo.jp 調和数列の積の部分分数分解 公式 調和数列の積の 2 乗の部分分数分解 公式 証明 蛇足 組合せ論的な議論 調和数列の積の N 乗の部分分数分解…

ゲリマンダーを作ってみた

グラフ理論を用いたモデルのもと、二大政党制を想定したゲリマンダリングのシミュレーションを行う。選挙区の区分けを列挙し、それぞれについて選挙の勝敗を決定する。

ハノイの塔の「和」に関する数列の一般化

前回の問題を一般化することにした。 e10s.hateblo.jp 問題・改 方針・改 解・改 z 変換 逆 z 変換 Jacobsthal 数 続・逆 z 変換 例題 解 所感 問題・改 前回の問題と同様の最短手順で $n$ 段のハノイの塔を攻略するとき、 $k$ 番目に小さい円盤を $k$ とす…

ハノイの塔の「和」に関する数列

ハノイの塔というパズルゲームがある。これは 3 本の柱 $A,B,C$ と穴の開いた $n$ 枚の円盤から構成される。ゲーム開始状態では柱 $A$ にすべての円盤が刺さっている。これらのすべての円盤を以下のルールに従って、柱 $C$ に移動させるとゲームは完了する。…

三角関数のラプラス変換の「証明」でたまに見かけるインチキについて考えてみた

三角関数のラプラス変換をオイラーの公式を通じて計算する場合にありがちな問題点を考える

地方自治法の定めるリコールに必要な署名数についての要件を調べてみた

いきさつはこのツイーヨ。さっき偏向報道番組で横浜のカジノ誘致の話があったんだけど、そんなにアレなら市長をリコール請求しちゃいなよって思ったけど、有権者数が 300 万ちょっとらしいので大変よね— えれ (@e10s) 2019年12月4日 リコールについては若か…

調和数列の積の部分分数分解とラプラス変換に関する雑多

序(昔話) 調和数列の積の部分分数分解 公式 証明 道具 1:通分と部分分数分解 道具 2:二項係数の性質 道具 3:二項定理の利用 数学的帰納法による証明 より簡潔な証明 補足 二項変換 Melzak の公式 調和数列の積の部分分数分解と Laplace 変換 Laplace 変…

楕円の中心に対する極座標表示と楕円の扇形の面積と

楕円と円を線型変換を通して相互に見比べることで、楕円の方程式を極座標表示する方法と楕円の扇形の面積を求める方法を示す。

観覧車のゴンドラをぐわんぐわん揺らしたい

支点が等速円運動する振り子の運動方程式をラグランジュ形式で導出し、さらに SageMath を用いて数値解析することにより、実際の運動をシミュレーションする試み。

領域を n 個の小領域に分割する・2

領域を n 個の小領域に分割する - ヨーキョクデイ 前回はグラフで考えようということを書いたが、では具体的にどんな特徴を持つグラフを考えればいいのか。まず、必然的に各国は離島であったりしてはいけないし、島は海に隣接してないといけないので、連結。…

領域を n 個の小領域に分割する

たとえば、大きな島を $n$ 個に分けろということになった場合、その形や方角なんかを無視して、何パターンの地図が描けるかという問題。 四色問題以前 四色問題ではグラフ理論な話に持ち込むが、ここでもその技法を流用することにする。それは、それぞれの国…

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数・その 4

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数 - ヨーキョクデイ (1+x^k) の乗積を展開したときの係数・その 2 - ヨーキョクデイ (1+x^k) の乗積を展開したときの係数・その 3 - ヨーキョクデイ 今回は整数の分割から歩み寄る。18 の "strict partition" を考えてみる…

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数・その 3

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数 - ヨーキョクデイ (1+x^k) の乗積を展開したときの係数・その 2 - ヨーキョクデイ 前回の続きとして、$$\begin{cases} q_0(0)=1 \\ q_n(r)=0 & \qty(r \frac{n(n+1)}{2}) \\ q_n(r) = q_{n-1}(r)+q_{n-1}(r-n) \end{case…

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数・その 2

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数 - ヨーキョクデイ 乗積$$\begin{align} Q_n(x) &= (1+x)(1+x^2)(1+x^3) \cdots (1+x^n) \\ &= \prod_{k=1}^{n}(1 + x^k) \end{align}$$に対して、多項式$$\begin{align} Q_n(x) &= q_n(0) + q_n(1)\,x + q_n(2)\,x^2 + \…

(1+x^k) の乗積を展開したときの係数

何年か前になぜか気になって、でもそのままにしていた問題をシンプルにした物だが、数学熱が高いことを理由に改めて考えてみた。今気にしている式は、$$\begin{align} Q_n(x) &= (1+x)(1+x^2)(1+x^3) \cdots (1+x^n) \\ &= \prod_{k=1}^{n}(1 + x^k)\end{ali…

マニアのための n 倍角・その 3

前回は 7 年近く前に書いた マニアのための n 倍角・証明 であるが、これは $\sin$ の $n$ 倍角、すなわち $\sin n\theta$ を $\sin(\theta+\alpha)$ の有限積で表すものであった。つまり、$$\sin n\theta = 2^{n-1} \prod_{k=0}^{n-1} \sin(\theta + \frac{…

積の微分法則の復習

今回は積の微分の公式をいじる。$x$ の関数である 2 関数 $f(x),\,g(x)$ の積を $x$ で微分すると、$$ \dv{x} \qty(f(x)g(x) ) = \qty( \dv{x} f(x) )g(x) + f(x) \qty(\dv{x} g(x) ) $$となるわけである。一般に複数の関数の積で表される $f(x) = \prod_k f…

tex 記法をやめて MathJax に切り替えていく

はてなダイアリーで書いていた時代に、数式を tex 記法を使って書いていた。これは mimeTeX という物を使って文字がガタガタの画像に変換するものである。そしてはてなブログに移行したところ、tex 記法を使うと Google Chart API を使って変換されるように…

2 次正方行列の累乗の次数減らし・証明

以前書いた、2 次正方行列の累乗の次数減らしの公式 を証明する。$A=\smqty(a&b\\c&d)$ なる 2 次正方行列について、$\alpha = a+d,\beta = ad-bc$ とおき、$$t_n=\sum_{k=1}^{\lfloor \frac{n+1}{2} \rfloor}{_{n-k}{\rm C}_{k - 1}}\,\alpha^{n-(2k - 1)}\…