前回、フィボナッチ数列の行列表現について知ったわけだが、それは $$
\mqty(F_{n+1}&F_n\\F_n&F_{n-1})=\mqty(1&1\\1&0)^n
$$というものである。ここで、$A=\smqty(1&1\\1&0)$ として、以前書いた 2 次正方行列の累乗の次数減らし を適用してみる。
すると、$\alpha=1$ であり、$\beta = -1$ であるから、
n 乗 | A の係数 (=t_n) | ||||
---|---|---|---|---|---|
8 | 1 | +6 | +10 | +4 | =21 |
7 | 1 | +5 | +6 | +1 | =13 |
6 | 1 | +4 | +3 | =8 | |
5 | 1 | +3 | +1 | =5 | |
4 | 1 | +2 | =3 | ||
3 | 1 | +1 | =2 | ||
2 | 1 | =1 |
F_n = \sum_{k=1}^{\lfloor \frac{n+1}{2} \rfloor} {_{n-k}{\rm C}_{k-1}}
$$また、それにより、$$
A^n=F_n\, A + F_{n-1}\, E
$$となりそうである。実際に右辺を変形してみると、$$
\begin{align}F_n\,A + F_{n-1}\,E &= F_n\,\mqty(1&1\\1&0) + F_{n-1}\,\mqty(1&0\\0&1) \\
&= \mqty(F_n&F_n\\F_n&0) + \mqty(F_{n-1}&0\\0&F_{n-1}) \\
&= \mqty(F_n+F_{n-1}&F_n\\F_n&F_{n-1}) \\
&= \mqty(F_{n+1}&F_n\\F_n&F_{n-1})\end{align}
$$となってうれしい。
ところで、さっきの表とシグマの式だが、実はパスカルの三角形を斜めに足していくとフィボナッチ数が現れるという興味深い性質が知られているらしいというか、かなり有名らしく、適当にググるともりもりと出てくる。
いやぁ、数学って本当にいいもんだなぁ。たまたま興味を持った部分がこうやって繋がってるんだぜ。