ヨーキョクデイ

100% pure impurities, which may imply some value. (j は虚数単位)

2.5 昔前のギターを大改修したメモ

1999 年購入の K-Garage の ST タイプの安ギターをそろそろいじりたくなったのだ。2010 年以来の改造であり、その内容をメモしておくものである。

前回の改造当時の姿

厳密にはその後ストリングリテーナの交換が 2022 年に行われている。

電気パーツは消耗品なので、それらの全交換を兼ねての大改修である。改造内容としては、

  • 導電塗料を塗る
  • ブリッジを Wilkinson WOV01 に交換する
    • サドルを Musiclily のブロックタイプのものに交換する
  • ピックガードを Musiclily Pro のもの交換する
    • ピックアップを FLEOR のシングルサイズハムバッカー 3 発に交換する
    • ポットとスイッチを交換する
  • ジャックプレートを MONTREUX のフラットなものに交換する
    • ジャックを Switchcraft から Pure Tone に交換する
  • ネジをステンレス製に交換する

といった具合である。

ボディの改修

ギターワークスの導電塗料をメインのザグリとジャックのザグリに塗った。

50 cc 入りだが、なんとなくの 3 度塗りで半分くらい使ったかな。新しいピックガードにはザグリをすべて覆うようにアルミテープが貼られているため、そこと接触するようにボディ上部にはみ出すように塗った。また、ジャックプレートをフラットなものに交換することでプラグやジャックがザグリに不用意に触れることはないはずなので、ザグリ全面に塗り、同様にジャックプレートに接触するようにボディ上部にはみ出させた。

導電塗料を塗布した

塗りムラのせいか抵抗値は箇所によってばらつきがあり、100 Ω ないところもあればもっとあるところもあるが、その程度なら関係なし。

ピックガードを新調するにあたり、そのネジ穴の位置が従来とは異なるため、約 2.5 mm 径の竹串の先端を落としたもの差し込んで古い穴を埋めた。接着には木工用ボンドを用いた。そもそもオリジナルのネジ穴がピックガードの穴とずれている上に斜めになっていたのだが。竹串の頭はプラモ用ニッパでギリギリで切断したのちにデザインナイフでできる限りツライチになるように削り取った。ピックガードが変に浮くと接触不良のおそれがあるので。

また、ブリッジを新調するにあたり、その分厚いイナーシャブロックがボディトップのネック側の低音弦側に干渉したため、当該ザグリを 1 mm 程度やすりで削った。もともと斜めに掘ってあったっぽい。ボディエンド側も塗装後に削った跡があったが、そういうクオリティのものである。

ザグリを削った

そうして改修を終えたボディがこんな感じ。

改修したボディ全体

ピックガードの改修

ここ数年の中華ギターパーツの雄 Musiclily より、Musiclily Pro のフェンジャパ 57 ストラト用のピックガードを用意した。ken ちゃんモデルのコピーモデルゆえにラージヘッドなのに、オリジナルのピックガードが 8 穴なのでそれに倣った。

このギターは 22 フレット仕様であるが、ピックガードは 21 フレット仕様向けであるため、ピックガードのネックポケット部を数 mm ブリッジ側に削る必要があった。


これは古いピックガードをテンプレートにしてミニ四駆の肉抜きよろしく手動で穴を開けまくり、紙やすりで雑に整えて終わり。どうせ指板のツバで隠れる部分なので。

ブリッジの改造と装着

分厚いイナーシャブロックで安ギター改造に定評がある、Musiclily 扱いの Wilkinson m シリーズより Wilkinson WOV01 を装着した。

guitar-ijiri.com
このとき、ブリッジプレートにブロックを装着するネジをステンレス製に交換した。M4×10 の皿小ネジをチョイス。また、デフォルトのサドルがビンテージ風味のプレスタイプで、これは好みでないので、またもや Musiclily のブロックタイプのものを装着した。そして、イモネジが上からはみ出すのは好みではないのでステンレス製の M3×6 に交換し、オクターブ調整用ネジおよびスプリングも YJB PARTS のステンレス製にした。また、ブリッジ取り付け用のネジは通常は丸頭の木ネジを用いるのだが、その意図が不明なので入手性もあって皿頭のステンレス製木ネジを使ってみた。3.5×25 のものをチョイス。皿頭の木ネジを使っている先人を確認できたが、アーミングにおいてメリットがあるようだ。僕はアームを使わないけれど。

なお、トレモロスプリングとその受けは面倒だったのでオリジナルのものを流用した。今後に期待。

ブリッジを装着した

電装系の実装

中華ピックアップにおいて近年非常に定評のある FLEOR のピックアップをチョイス。せっかくなのでレールタイプのシングルサイズハムバッカーにしてみた。マグネットがセラミック版とアルニコ 5 版があるのだが、今回はセラミックをチョイス。フロント、センター、リアにそれぞれ対応品があって、直流抵抗がそれぞれ 6-7 kΩ、9-10 kΩ、12-13 kΩ という設定になっており、現物もその範囲に収まるものだった。今までは黒いピックアップカバーを 3 箇所に付けていたのだが、フロントから黒・白・黒という謎配色にしてみた。

取り付けネジは例によってステンレス製の皿小ネジ M3×20 を使用し、スプリングは付属品を使用した。

公式のインチキ配線図があるが、この公式推奨の定数に従って、ボリュームポットは 500 kΩ の B カーブを、トーンポットは 500 kΩ の A カーブを選択。いずれも SCUD 扱いの ALPHA 製。直径 24 mm のタイプはザグリに干渉することが前回の改造でわかっていたので 16 mm のタイプ。トーン用のキャパシタ(強いていえばカピャシタであろう*1)は手持ちのフィルムコンデンサ 0.047 μF (473) を使用。

また、レバースイッチは SCUD 扱いの ALPHA 製を。これの取り付け用にステンレス製の皿小ネジ M3×15 を使用。

そしてコイルタップスイッチには Nidec の DPDT であるトグルスイッチ 8J2011-Z をば。フジソク印の棒が短いタイプ。
www.nidec-components.com

というわけで、コントロールはマスタボリューム・マスタトーンで、全ピックアップについて連動するタップスイッチ付きという仕様にした。また、コイルタップ時にはフロントとリアにおいてはネック側のコイルが、センターはブリッジ側のコイルが選択されるようにし、ハーフトーン時にハムキャンセルされるようにしてある。購入品を用いて調査した結果、どのポジション向けのピックアップもマグネットの磁極の向きとコイル巻き方とリード線の関係は同じだったので。公式の配線図は現時点で誤っていると思う。

FLEOR シングルサイズハムの初期配線

この図では上のコイルがネック側、下のコイルがブリッジ側に相当する。

これをもとに作成した今回の配線の全体の回路図も置いておくが、コイルタップ時・非コイルタップ時で各ピックアップの GND は共通で、コイルタップ時には GND に近いほうの☆印のコイルが有効になり、もう片方のコイルは宙ぶらりんになるタイプの配線。

FLEOR シングルサイズハム 3 発を用いた回路図
ピックガード裏の配線

このピックアップ切り替え部は今は亡き DGB Studio の 3H19 を参考にした。

センターピックアップのタップ線はタップスイッチ経由でレバースイッチに向かうのがミソ。コイルタップ時にのみタップ線とレバースイッチの端子が短絡するようにし、非コイルタップ時にミックスポジションでタップ線同士が短絡されてブリッジ回路ができてしまうのを避ける。つまり「コイルタップ時に有効になるコイル同士の並列」と「無効になるコイル同士の並列」の直列になってしまうのは望んでいない。ただ、その音も気になるので今後試してみようかと思いつつ、よくある 2 ハム仕様のギターでの例の見たことがないのでクソなのか。

非コイルタップ時のミックスポジションでのあるべき回路(概略)

なお、ポット裏に GND のはんだ付けをするのが非常に苦手であるので、ラグ板の端子をスズメッキ線で短絡しておいてそれに各 GND に落とす線をはんだ付けし、取り付け用の穴にレバースイッチのネジを挿入し、ナットで固定するという非常に斬新な配線を行ったこともあり、配線が 3 次元的に複雑である。また、ナットが緩んだら接触不良待ったなしであるが、その前にスイッチが経年劣化で接触不良になると思いたいところ。

ラグ板の周辺

さらに出力ジャックは接触不良になりにくいらしい Pure Tone のモノラルジャック PPT1 を使用した。

組み込み

ピックガードおよびジャックプレートの装着には例によってステンレスの丸皿タッピングネジ 3×12 を用いた。ピックガード固定用のネジ穴はすべて開け直したが、2.0 mm のドリルでちょうどよい具合だった。

ピックアップ周辺

他の楽器との兼ね合いで L 型プラグを常用している都合上、舟型ジャックプレートではプラグを抜きにくい問題があったので、MONTREUX のフラットなタイプのジャックプレートを装着してみた。
www.montreuxguitars.com
ジャック付属のナットが 2 枚に変わったらしいのと、手持ちの薄い菊ワッシャを噛ませたこともあり、発売当初は懸念されていたジャックの出っ張りはとくに気にならない程度だった。

ジャックプレート周辺

ノブ類は従来品の流用である。

改造完了後の姿

改造後の全体像

遠目から見るとフロントとリアのシングル 2 発っぽく見えるか。

購入品リスト

モノ 値段 どこで
導電塗料 2079 Amazon
ピックガード 1469 Amazon
ブリッジ一式 2684 Amazon
サドル一式 789 Amazon
フロントピックアップ 1391 Amazon
センターピックアップ 1391 Amazon
リアピックアップ 1999 Amazon
レバースイッチ 581 Amazon
トグルスイッチ 480 千石電商
ボリュームポット 440 Amazon
トーンポット 351 Amazon
ジャック 700 Amazon
ラグ板 160 千石電商
スズメッキ線 275 千石電商
ジャックプレート 1890 千石電商
ピックガード固定ネジ 40 本入り 990 Amazon
ブリッジ固定ネジ約 12 本入り 228 コメリ
イナーシャブロック固定ネジ 4 本入り 93 ムサシ
サドル用イモネジ×12 660 千石電商
オクターブ調整ネジ一式 990 Amazon
ピックアップ固定ネジ 4 本入り×2 187 ムサシ
レバースイッチ固定ネジ(ナット・ワッシャ付き)7 本入り 348 コメリ
ポット用菊ワッシャ 4 枚入り 168 コメリ
20343

導電塗料や袋入りで買ったネジ類は全部使ったわけではないけど、増備した工具類や消耗品の分を加えてもこの程度だろう。

雑多な感想

予算を定めずに始めた企画であって、この記事を書きながら総額を計算してヒエーとなっている次第である。中華パーツを駆使して改造費用は抑えつつも、改造金額が本体金額を超えている気がしないでもない。ギター本体がいくらだったかは記憶にないが。これは改造素体のつもりで先日ハードオフで入手した 4400 円ジャンク扱いの Legend のギターを派手に改造する予行演習として進めた企画でもある。


だが、2 本改造する費用でもうちょっといいギターが買えるぞというアレ。そもそも YouTube でギター改造動画を見まくったせいで改造したい欲が抑えられなくなって始めたことなのでそれでは本末転倒だ。具体的な改造プランを決めるの策定にあたっては、シングルサイズハムバッカーを試したい欲とコイルタップがどんなもんか試したい欲とシングルコイル使いづらいしコイルタップは不要だろ感とセンターピックアップは飾りだしダミーでいいだろ感とが入り交じった、結果的に不要になるであろう機能でも大は小を兼ねる理論を原則とした。

また、今回の改造で手を付けなかったネック周辺の改造もしたいが、ナットとフレットは DIY する腕がないので、可能な範囲内で優先すべきはショボすぎるいわゆる亀ペグを交換することだろう。次いでネックジョイントのネジのステンレス化か。

近視と老眼のコンボでメガネをしていると手元が見えにくい体質のため、ほぼすべての作業は裸眼で進めたが、保護メガネくらいは持っておかないと危険だと感じている。

*1:その昔使っていた電気回路の教科書の珍記述より